オスグッド病の治療

[保存的治療]

原因となるスポーツ活動をやめてしまえばすぐに治りますが、それでは元も子もありません。元来、スポーツや運動に対する欲求の強い小児に多く発症するので、単なるスポーツ活動の中止は聞き入れられにくいうえ、すぐに再発してしまいます。

そこで、練習内容の変更•軽減(痛みを伴う動作、特に大腿四頭筋の遠心性収縮を伴うジャンプの着地やストップ•ターンを繰り返す動作の制限)の必要性を指導者や保護者に丁寧に説き、無理なく患部への過剰な負荷を取り除くことが肝要です。難治例や成人の遺残骨片に対しては、まれに摘出術が考慮されることもあります。


[手術治療]

前述の保存治療を少なくとも3ヶ月以上徹底的におこなっても改善傾向がない難治例や成人の遺残骨片に対しては、まれに摘出術が考慮されることもあります。ただし、摘出したから治るのではありません。骨片の存在が難治性の一因になっている可能性が高いのでこれを取り除き、その後にあらためて上記の保存治療を徹底して行うということです。つまり、手術後にこそ徹底した保存治療を行う必要があります。


手術の実際

上図のように、脛骨粗面の両側に2箇所の小切開(各1センチ程度)を加え、鏡視下にシェーバー・RFシステムを用いて、遺残骨片を膝蓋腱と脛骨結節から剥離・切除します。手術時間15-30分。

手術前のレントゲンとMRI

手術中の関節鏡写真


術後のレントゲンと傷口の写真


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